脱サラして独立開業と同時に「田舎暮らし」を始めた時の話です。
今も田舎と言えば田舎に住んでますが、当時はもっと田舎に住んでいたのです。
田舎暮らしに憧れる人って、まだまだいると思うんですよね。
そんな人たちの参考になればいいなと思っています。
今回は田舎暮らしを始めて、起業に至るまでのお話です。
当初は独立しようなんてつもりは、あまりなかったのです。苦笑
もともと田舎暮らしブログを書いてました
実は僕は、20年ちかく昔に「プチ田舎暮らし」というブログを書いてました。
でも、そのブログはもう閉鎖しています。
当初はTVの取材の打診も何度か受けたくらいの、
割と人気のブログだったんですよ。
もちろん、顔なんかTVに出したくないですから、全部お断りしましたが。
他にも大手企業をはじめ、各所からリンクの許可依頼が来たものです。
でも、今は閉鎖してしまいました。
地域グルメ情報ブログにしちゃいました。笑
どうしてブログを閉鎖したかと言うと、実名ブログだったんです。
地域のことを書くと近所に嫌がる人がいたんです。
楽しいはずの田舎暮らしで苦しんでる人のために赤裸々な情報提供をしていたつもりでしたが、
どうも、あまりにリアル過ぎて、気に障った人もいたようです。
当時は「僕のブログなんか近所の老人がどうやって見つけたんだろう」
って思いましたけど、地域(市)のサイトにもリンクされてましたし、そりゃバレますよね。。。
それもあって、今回は、匿名ブログとして、復活させることにしたのです。
今は当時住んでいたところも引っ越してしまいましたからね。
たぶん、バレません。
田舎暮らしのきっかけは「癒し」
僕は元々サラリーマンでした。
大学を出てから紆余曲折ありましたが、最終的に普通のサラリーマンになりました。
でも、プライベートのゴタゴタと会社での激務とで、身も心もズタズタになっていた僕は、たまらず、自己防衛反応で田舎でゆっくり暮らしたいという思いが増してきたのです。
激務の後に有給を使って西日本を一周した旅の影響が大きかったかもしれません。
その時に「こんなに楽しい時間もあるんだな」と思ったのです。
そこで「やりたいこと、やりたかったことを全部しよう」と思ったのです。
毎週仕事のない週末は一人で関東近郊にドライブに行って、その土地のおいしいものを食べたり、観光地を周ったりして、ミニ一人旅にちょいちょい出かけました。
とくに田舎に出かけるたび、大自然に魅了されて帰宅したものです。
田舎暮らしはもともと大学時代にも考えたことがありました。
そもそも僕の実家も田舎なんですが、そういう意味の田舎ではりません。
本当のリアルな何もないド田舎に住みたいなと長年思っていたんです。
公私ともにボロボロの今こそ、その時期だと思ったのですが、
今とてもうまくいっていることを考えると、その直感は当たったんでしょうね。笑
でも起業しようと思って田舎暮らしを始めたわけではないんですよ。
ただ、「癒し」を求めていました。
都内に2時間以内で通勤可能なプチ田舎暮らし
僕が選んだのは、都内にも電車で2時間もあれば出られる範囲の田舎でした。
なので、実は都内に通えたんです。
当時はまだサラリーマンでしたからね、会社を辞める必要もなかったんです。
でも、大自然に囲まれて生きていると、だんだんと都内なんかに行きたくなくなるものでして。
ついに、会社を辞めてしまったのです。
そして思い切ったことに、脱サラして独立開業したのです。
田舎から会社に通うのが面倒になっちゃったんですよね。苦笑
起業のきっかけなんてそんなもんです。
もちろん起業も、ある程度の勝算はあったんですけど、
かなり衝動的で将来のビジョンを深く考えてなかったことも事実。
でも、前の会社の上司からも仕事を少しもらえることが決まっていたんですよね。
そういうラッキーが背中を押してくれたってのもありましたね。
でも、田舎暮らしを始めると同時に起業する人ってけっこう多いんですよ。
とくに若い人に多いですね。
ぼくは、30歳になったばかりのころでしたけどね。
田舎起業で多い業種
自分の場合は、ITエンジニアですので、パソコン一つあれば起業できました。
「IT」での起業は、まさに田舎で起業するパターンの王道だ、なんて思っている人も多いかと思います。
最近でこそ、「ノマドワーカー」などと呼ばれる、ITで起業して日本全国を転々としたり楽しみながら仕事する人も増えてきましたが、当時はほとんどいませんでした。
いや、「ノマドワーカー」なんて言葉すらありませんでしたからね。
なので、ぼくは、かなり先駆者的だったんです!笑
ちなみに田舎に移住して「田舎暮らし」を始めるのも、今ほど一般的なライフスタイルではありませんでした。
しかも2005年当時、自分が田舎暮らしを始めた当時は、自分のようなIT関係の移住者は少数派だったんです。
多くは小売業や飲食業で起業する移住者が多かった印象があります。
田舎といえば農業ですが、移住して農家で起業ってのも当時は、レアケースでしたね。
最近でこそ、農業で起業する人も増えてきましたし、参考になりそうな本もたくさん出てますが、当時はほとんどいませんでした。
レア中のレアですが、酪農って人がいましたけどね。笑
ただ、どれも共通しているのは、その仕事をしたいんだ、という思いが強い人が多かったように感じます。
なので「起業するから業種を選ぶんだ」ではなく「その業種が好きだから田舎で始めるんだ」と言う感じなのです。
その辺の「仕事への思い」とか、「やれる自信」が無いとうまくいかないような気もします。
起業セミナーでは起業できません
さて、起業をするならまず初めに何をするか。
気合を入れて「起業セミナー」とか行っちゃう人が多いんですが、あまりオススメしません。
もちろん自分も、起業セミナーなどは行かずに起業しました。
だって、セミナーってお金かかるし、しかも高いですからね。
起業当時はお金って無駄にしたくないですからね。
まあ行っちゃダメと言うわけではないですが、起業セミナーに行って起業した気になるのが怖いという意味もあります。
起業セミナーに行っても、まだ1歩もスタートしてないのと同じなんです。
それに起業セミナーに行く人って、起業前の時点で足踏みしたままの人が多い印象があります。
じゃあ、起業セミナーに行かない人は何をするか?
実は、いきなり最初から「お金を儲ける」という行動をするんです。
まず最初に「ビジネス」から入るんです。
起業の勉強から入りません。
なぜなら、実際にやってみるとわかるんですが、勉強なんて不要だから。
むしろ、まず「やってみる」というところから入るのが一番の勉強です。
仮に今サラリーマンであっても、まずやってみてください。
会社が副業禁止だったらNGですけどね。
まずやってみれば、起業セミナーに行かなくても、やれるかやれないか、身をもって体感できますから。
もちろん、セミナーに行って、「将来起業したいという同じ目標を持った仲間を作ろう!」ってことなら全然OKだと思います。
あとになって、「起業(社長)は孤独だ」ということを思い知ることになりますので、仲間はいた方がいいですよ、ほんと・・・。苦笑
細かいことを気にしなくても起業できる事実
これ、本当の話ですが、細かいことを気にしなくても起業できます。
自分のビジネス以外の知識、例えば経理など細かい知識は最初は不要です。
明日にでもビジネスができる知識の方が最初は肝心です。
なので、まず最初に「商売の始め方をセミナーで勉強しよう」とか、「何をして生きていこう?商材はどうしよう?」とか、考えているレベルだと起業するのは厳しいです。
自分で言うのもなんですが、田舎で起業する移住者は、その仕事が好きで、すでにそこそこの実力があるという人が多かったように思います。
そして、会社に勤めなくても自分ひとりでやれそうだという、ある程度の自信を持っている人も多かったように思います。
だからこそ、田舎に来て、いきなり「ビジネス」から始められるんです。
もちろん、最初の「とっかかり」はわからないことばかりです。
名刺って必要なの? 積算書や請求書ってどうやって作るの?
税金どうするの? 法人ってどうやって作るの? とか。
自分もよくわかってませんでした。
でも、そういう細かいことは、後でいいんです。
ほんとに。苦笑
とりあえずビジネスを始めて、必要になったらネットで調べて準備すれば十分に間に合います。
役所や税務署に直接聞きに行くと、もっと早いです。
とくに税務署なんかは、恐ろしく親切に指導してくれます。
社長一人の会社なら税務書類とかその場で一緒に作ってくれます。(これなら税理士いらないし。苦笑)
でも、そもそも、自分の提供するものが売れなければ、税金も払う必要もなければ会社を作る必要もありませんからね。
まずは、仕事を始めないことには、なにかを売らないことには、なーんにも始まらないのです。
つまりは、最初からすぐに仕事を始められない人は起業できないという意味なのです。
細かい雑務は気にしないで大丈夫です。
田舎での起業は都会よりハイリスクです
もしも、仕事が好きでないか、自信がないか、どちらかでも当てはまるなら、
田舎で起業はあきらめて、田舎で勤め先を探した方が無難だと思います。
というのも、田舎だからといって都会よりもビジネスが簡単だというわけではないんですよ。
むしろ逆なのです!
田舎の方がビジネスは難しいんですよ。
そもそも、商売するなら都会の方がいいに決まってます。
なぜなら、お金の動くところに人は集まるからです。
人がいなければお客さんもいないということになります。
田舎はマーケットが小さいのです。
だから本当のことをいうと起業に向かない場所です。
ガッツリ儲けようと思って田舎に行く人はいないです。
お金持ちがいるところでビジネス・起業するのが鉄則です。
あと田舎ってライバルが少ないからチャンス! って思ってる人も要注意。
確かに、田舎のお店のサービスレベルや仕事の質は恐ろしく低いです。
これを見たら、自分の方が絶対にうまくやれるし、既存店などのライバルに負けるわけがない、と感じると思います。
でも、そういう人は顧客ゼロから始める大変さってのを理解できてないんです。
そもそも田舎の人は、そういう高いサービスレベルを望んでないんですよねー。苦笑
少々ぶっきらぼうで不愛想な店主の店でも、田舎の人は慣れた店が一番良いのです。
田舎の人間関係を切り崩すのは難しいのです。
田舎の新規参入は厳しいのです。
IT起業は田舎でもローリスク
僕は、ITのエンジニアですから、ITで起業しました。
ITなので、顧客のほとんどは企業=法人、BtoBです。
しかも、都内のお客さんがほとんどで、
地域のお客さんはほとんどいませんでした。
振り返って思うに、そこが田舎で起業して成功する秘訣の一つだったのかもしれません。
田舎起業のリスクを全部回避してますからね。
その反対に、飲食や小売りのようなBtoCだと、地域住民と仲良くやれない人は、地域から村八分にされてしまいます。
人間関係のリスクがあるんです。
でも、だからと言って飲食店や小売業がダメかと言ったらそうでもないです。
都内や遠くから来る人をターゲットにすれば、そのリスクを回避できます。
実際、ナチュラル思考の顧客をターゲットにした飲食店は、都内など遠方から客を集めていました。
たとえ地域に溶け込めたとしても人口が少ないので売り上げも見込めませんが、遠方から来る客もターゲットにすれば、売上もかなり増えますしね。
結局、田舎が好きでないと起業リスクは大きい
最近は、地方都市が疲弊していますから、その周辺の田舎なんかもっと疲弊しちゃって過疎化も止まりません。
しかも少子化ですからね。
でも、田舎で起業することで遠くから客が来れば、その地域にとってもプラスになりますね。
都会にはない田舎の魅力、例えば自然を生かした商品など、まあ商品力さえあれば、田舎への貢献が可能になります。
税金を田舎に納められますからね。
このように妻や夫の田舎に貢献したいという理由で田舎で起業する人もいるみたいです。
でも、これはやめた方がいいです。
ただの移住ならまだしも、ビジネスですからね。
やっぱり自分の商品がそこでどれくらい売れるかを考えないと、田舎に住んでさっそく「仕事」を失うことになってしまいます。
いや、そういう人けっこういたんですよ。苦笑
あと、自治体から補助が出て田舎での商売を推進する制度もありますが、そういうものを利用したいからって田舎を選ぶのも微妙です。
やっぱりここでも、マーケットのこと考えないとダメですよね。
ビジネスをやるなら順序が違うと思うのです。
でも例外はあります。
田舎がそもそも好きだという場合です。
田舎の人間関係が好きとか、山や川、緑など自然が好きとか。
であれば売上が少なくても、そこに住みたいという思いの方が強いので、なんとか生きていけるからです。
実際、そういう人は少なからずいました。
いや、ほんと、田舎はリスクだらけですからね。
田舎の観光地なら大丈夫だろうと思っても、
突然温泉が枯れるとか、自然災害等で観光名所の閉鎖とかリスクはあります。
ビジネスをするのなら、いろいろと考えて起業をしないといけません。