亡き父の死

実家のリビングと和室の境目あたりにいる。

和室には母と亡き父がいた。

父はもう命が長くないようだ。

 

ちなみに父は死ぬ間際は寝たきり状態だったはずだが、なぜか和室の畳に胡坐をかいて座っていた。

しかも胸部から腹部にかけて大きな穴が開いており、内臓が見えていた。

内臓といっても中身はスカスカで、まるでロボットのように小さな臓器がポツポツと設置されていた。

 

父は自らの手で、自らの臓器に配線をつないで僕にたずねた。

「ここの臓器の調子はどうか?」

どうかと言われてもわからないので「わからない」と答える。

 

父は笑顔で別の臓器に配線をつないで同じ質問を僕にする。

「ここの臓器の調子はどうか?」

やはり僕は「わからない」と答える。

 

これを何回か繰り返す。

 

そして、最後に父は心臓に配線をつなごうとする。

配線は一種のテスターになっており、それを心臓につなぐと心臓が止まってしまう。

 

僕は咄嗟に「それは死を意味する行為だ」と気がついて止めようとする。

しかし時すでに遅く、父はその瞬間に意識を亡くして、そのまま後ろに倒れた。

父は亡くなってしまった。

その瞬間に、よくわからない不協和音のような音楽が流れた。

隣で母が寝ていた。

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